会社の地方税について

 以前、急遽法人設立1年目の方の決算申告をすることになった際に、お客様は、届出関係は税務署に全て出していますとおっしゃいました。しかし、法人設立時に提出する税金関係の届出は税務署だけで良いのでしょうか。
 正しくは税務署以外にも、都道府県税事務所、市町村に提出しなくてはいけません。
 本日は、会社の地方税についてまとめていきます。

(1)法人の地方税とは

 法人は、国に支払う法人税の他に、地方税を都道府県や市町村にも支払います。
 地方税は、大きく分けて次の2種類になります。

 ①事業税          →      都道府県(県税事務所等)に申告します。

 ②住民税(道府県民税)   →      都道府県(県税事務所等)に申告します。
  住民税(市町村民税)   →        市町村に申告します。

(2)税率と計算方法

 ①事業税は、会社の利益(所得)に応じて課される税金です。中小企業の場合は、赤字の場合は原則として税金は発生しません。
 ※資本金1億円以下の場合
  所得のうち年400万円以下の金額・・・・・・・・・・・・3.5%
  所得のうち年400万を超え年800万円以下の金額・・・・・5.3%
  所得のうち年800万円を超える金額・・・・・・・・・・・7.0%

 ②住民税には、道府県民税と、市町村民税の2つがあり、それぞれ「法人税割」と「均等割」から成り立っています。

「法人税割」
 法人税割は、法人税額に次の割合を乗じて計算します。
 道府県民税・・・・・・・1%
 市町村民税・・・・・・・6%

「均等割」
 「均等割」は、資本金等の額と従業員数に応じて決まります。利益がなくても税金が発生することになります。
※道府県民税

資本金等の金額金額
1千万円以下2万円
1千万円超1億円以下5万円
1億円超10億円以下13万円

※市町村民税

資本金等の金額従業員50人以下従業員50人超
1千万円以下5万円12万円
1千万円超1億円以下13万円15万円
1億円超10億円以下16万円40万円

(3)まとめ

 会社を設立した場合には、国に支払う法人税の他、地方に支払う事業税や住民税も納付する必要があります。税金関係で設立時に提出するのは、税務署だけで良いよね、と考える人もいると思いますが、県税事務所や市町村にも届出が必要になります。会社設立時には忘れないようにしてくださいね。

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