お店で売っているケーキやパンの値段、安いものから高いものまで色々あります。
その値段はどのように決められているのでしょうか。
今回は、値段を決めるのに欠かせない原価計算のお話をしていきます。
原価とは何か
お店の売上から家賃や光熱費などを払っても、手元にしっかりお金(利益)が残るようにするためには、まず「ケーキ1個作るのに、いくらかかっているか」を知る必要があります。
この費用を「原価」と言い、主に以下の2つに分けられます。
1 材料代(直接かかる費用)
・小麦粉、卵、砂糖、生クリーム、フルーツ、チョコレートなど、ケーキの生地などに使った全ての材料費です。
まずは、この材料代を1グラム単位、1円単位で正確に計算します。
2 その他の費用(間接的にかかる費用)
これは、商品を作るために間接的にかかる費用です。
- パッケージ代:ケーキの箱、フィルム、リボン、袋などの費用。
- 光熱費・人件費:オーブンを使う電気代やガス代、そしてケーキを作った人(あなたやスタッフ)のお給料の一部。
まずは一番計算しやすい「材料代」を出すことに集中しましょう。
原価率の目安
販売価格(売値)のうち、材料代が占める割合を「原価率」と言います。
この割合を適切に保つことが、お店の利益を守る鍵です。
※ 原価率=(材料代➗販売価格)×100
例えば、原価率を30%に設定した場合、売値の70%が家賃、人件費、光熱費、お店の儲けになります。
ケーキの値段をいくらにするか
それでは、実際の数字を使って、販売価格の決め方を見ていきましょう。
ステップ①:正確な材料代を出す
ショートケーキ1個の材料代が 150円だとします。
ステップ②:目標の原価率で割って逆算する
目標の原価率を30%として計算します。
販売価格=150円÷0.30=500円
この500円が、お店のケーキの「利益を生むため」の値段です。
まとめ
逆算で出た値段をそのまま値札にする前に、必ず以下の最終チェックをしてください。
- 市場価格の確認: 周りの競合店は同じようなケーキをいくらで売っていますか?
あなたのケーキが 500円 で、周りが 450円 なら、お客様が「この50円の差」に納得できる付加価値(こだわりや美味しさ)を伝えられるかが重要です。 - パッケージ代の扱い: 500円に箱代まで含めるか、それとも別に考えるか?
パッケージ代(例:50円)を加味して 550円 にするか?お店のコンセプトに合わせて決めましょう。
原価計算は、「お客様が納得する値段」と「お店が長く続くための値段」のバランスをとる作業です。
ご参考になれば幸いです。