年末調整とは何か

令和7年分は、所得税に関する大きな改正があり、年末調整の事務負担が増加しています。

今回は、年末調整の基本と、なぜこの手続きが必要なのかを解説します。


1. 年末調整とは:税金の「概算」を「精算」する手続き

会社が毎月の給与や賞与から天引きする源泉徴収税額は、あくまで「1年間の所得や各種控除の見積もり」に基づいた概算額です。

1年間の正確な給与額や、生命保険料などの控除額が確定しないと、本当の税額は分かりません。

そこで、確定した1年間の給与等の額と各種控除の額に基づいて計算された正しい年税額と、それまでに徴収してきた源泉徴収税額の合計額との差額を精算します。
この手続きを年末調整と言います。

差額が出た場合、従業員に税金が戻ってくる(還付)か、追加で納める(徴収)ことになります。

2. 年末調整を行う時期と対象者

実施する時期

原則として、その年の最後に支給する給与または賞与の支払時に行います。
具体的には、令和7年12月の給与または賞与の支払時ということになります。

対象となる従業員

原則として、以下の条件を満たす人が年末調整の対象となります。

  1. 令和7年の最後に給与等の支払いを受ける際に、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出している人。
  2. 給与等の総額が2,000万円以下の人。

3. 年末調整のスタートライン:「扶養控除等申告書」

従業員は、年間の最初の給与の支払いを受ける日の前日までに、「扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出しなければなりません。

この書類が、「この会社があなたの主たる給与の支払者ですよ」という証明になり、年末調整の対象となるための必須条件となります。

  • 注意点: 従業員が複数の会社から給与を受け取っている場合、この申告書は一ヶ所(主たる勤務先)にしか提出できません。

4. スムーズな実務のための必要書類(令和7年分)

年末調整を滞りなく進めるために、担当者は従業員に以下の書類を提出してもらう必要があります。

・扶養控除等(異動)申告書
・基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書
・保険料控除申告書
・住宅借入金等特別控除申告書

まとめ

令和7年分は税制改正により、これらの書類の内容が例年以上に複雑になっています。

  • 余裕を持った提出期限の設定:12月の給与支給日や対象人数に応じて、早めに提出期限を設けましょう。
  • 中途入社者の確認:中途入社した社員の前職分の源泉徴収票の提出漏れは、年末調整の実務を停滞させる要因になります。

    必要な書類を期限までに提出することを徹底してもらいましょう。
タイトルとURLをコピーしました