資産とは、負債とは。
分かるようで分からないこの言葉。
今回は、『金持ち父さん貧乏父さん』という本で書かれている定義を元に解説していきます。
1. 「資産」とは、あなたのポケットにお金を入れてくれるもの
「資産」とは、あなたのポケットに定期的、または結果的にお金を入れてくれるものです。
具体的には、以下の2種類に分類できます。
資産の定義 | 具体的な例 |
① 収入を生み出すもの | 利息を生む預金、家賃を生む不動産など |
② 値上がり益を生み出すもの | 売却益を生む株式、売却益を生むゴールドなど |
資産は、必ず「収入」か「値上益」という形で、財産を増やしてくれます。
逆に言えば、収入を生まないもの、値上がりしないものは資産ではありません。
2. 「負債」とは、あなたのポケットからお金をとっていくもの
この定義に従うと、世間一般で「資産」と誤解されやすいものがあります。
その代表例が「マイホーム」です。
例えば、3,000万円でマイホームを購入した次の2人のケースで考えてみます。
- Aさん(資産の定義を知っている人):
無借金のマイホーム(時価3,000万円)は収入も値上り益も見込めないため、「資産ではない」と判断して売却。
売ったお金で投資信託を購入し、10年後には財産が大きく増えました。 - Bさん(資産の定義を知らない人):
マイホームを「資産」だと考えてそのまま住み続けた結果、10年後に時価が2,000万円に値下がりし、財産が減ってしまいました。
お金が増えていくのは、「収入を生むもの」や「値上がりするもの」という資産を持っている人だけなのです。
(個人的には、マイホームはお金では測れない心の満足感は高めると思うので、一概にダメとは言えないと思っています。)
3. 資産価値の高さは「トータルリターン」で決まる
では、どのような資産を買うべきでしょうか。
答えは、トータルリターンの高いものを選ぶことです。
トータルリターンとは、「収入」と「値上がり益」を合計した収益力のことです。
資産は、その収益の形から以下の3つに分けられます。
- 収入だけを生むもの: (例:定期預金)
- 値上がり益だけを生むもの: (例:無分配型の投資信託)
- 収入と値上がり益の両方を生むもの: (例:収益性の高い賃貸不動産)
当然ながら、トータルリターンが高いものほど、資産価値が高いと言えます。
(※ただし、リターンが高いものはリスクも高いことを理解しておく必要があります。)
4. 買い物上手になるために
日常生活での買い物の「質」を上げるために、何かを買う前にこの2つの質問を自分に問いかけてみると良いでしょう。
Q1. 今買おうとしているものは「資産」なのか?
(自分のポケットにお金を入れてくれるものですか? 収入や値上がりは見込めますか?)
Q2. 資産ではないとしたら、それは何か?
(一度キャッシュアウトして終わりの「支出」なのか? 継続的にコストがかかる「負債」なのか?)
例えば、車は定義上「負債」に該当することが多いですが、リセールバリュー(再販価値)の高い車を選ぶことで、経済的なダメージを軽減できます。
まとめ:資産形成のポイント
人生において、浪費を抑えて「本当の資産」を買うことに集中し、その中でも「トータルリターンの高いもの」を選び続けることが、財産を増やしていくための基本です。
ぜひ、「今月の収入のうち、何割を本当の資産を買うために使ったか?」と考えて、日々の買い物や投資の質を高めていきましょう。