固定資産と消耗品(経費)の判断基準

ある支出をした場合「10万円以上は固定資産、それ以下は消耗品(経費)になりますが、一括で契約・購入した場合、その判断が難しくなります。

今回は、「パーテーション工事一式100万円」の中に机や椅子が含まれている場合の、正しい経理処理の考え方を解説します。


「一括取得の金額」で判断

企業の支出が「固定資産」になるか「消耗品費」になるかは、「取得価額」の判断が最も重要です。

もし、請求書や契約書が以下のような状態の場合、注意が必要です。

  • 契約が「パーテーション工事一式100万円」となっており、机や椅子の金額が明確に区別されていない。
  • 請求書や見積もりの内訳が「工事全体としての構成要素」として記載されている。

この場合、税務上は机や椅子も工事に必要な「一体の資産」と見なされ、全体が100万円の「建物附属設備」(固定資産)として一括計上される可能性が高くなります。
つまり、単価が10万円未満の机や椅子であっても、消耗品費(経費)にすることはできません。

品目取得価額の判断経理上の処理
パーテーション工事一式全体で100万円とみなされる固定資産として減価償却
机・椅子工事一式に含まれる消耗品費(経費)にできない

2. 消耗品費として処理するための適切な方法

単価10万円未満の机や椅子を消耗品費(経費)として処理するためには、その品目が工事費とは「独立して取得した」ことを明確に証明する必要があります。

経理処理を明確にするためのポイント

  1. 契約・請求書を分ける:
    • パーテーション工事と什器(机・椅子)を別々の業者に依頼するか、同一業者でも契約書や請求書を完全に分けて発行してもらいましょう。
  2. 独立性を明確にする:
    • 机や椅子は、単体で機能し、移動や売買も可能です。
      これらの独立性を、証拠書類(見積書など)で明確に示しておくことが大切です。

まとめ

金額が大きい支出の場合、固定資産にするか経費にするかで納税額も変わってきます。
つまり、税務調査でも論点の一つとなりやすい項目となりますので、適切な会計処理を心がけることが大切になります。

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