相続に税金がかかる理由

前回の投稿では、相続権について解説しました。

相続権は、簡単に言うと、亡くなった人(被相続人)から引き継いだ財産を、
相続人が受けとる権利でしたね。

今回は、何故、その引き継いだ財産に税金がかかるのか、について解説していきます。

(1) 労力なしに得た利益(財産)に税金をかける

相続人は、財産を残した被相続人(亡くなった人)が努力して稼いだり、築き上げたりした財産を、自らは直接的な労働や事業活動を行うことなく受け取ります。

簡単に言うと、自ら努力を伴わずに得られた財産ということですね。

日本の相続税は、相続人が労力なしに得た財産(不労利得)に課税をする方式をとっています。

(2) 相続税がかかる理由

亡くなった人が築いた財産は、すでにその人が生きていたときに所得税などで税金がかけられています。
しかし、その財産を受け継ぐ側は、自分で稼いだわけではないのに、何の苦労もなく財産を得ることになります。

もし相続に税金がかからなければ、親が裕福な家庭ほど、子も代々裕福になりやすく、社会全体の経済的な格差がどんどん広がってしまいます。

相続税は、この「棚ぼたで得た財産」にも税金をかけることで、世代間の富の偏りを調整し、社会全体で公平性を保つ役割があります。

また、相続税も他の税金と同様に、国が公共サービス(医療、教育、インフラ整備など)を提供するための重要な財源になります。

(3) まとめ

相続税は、「自らは労力をかけることなく、大きな財産を得た人にも、社会に貢献してもらうため」、
そして「社会全体の公平性を保つため」に、相続に税金がかかると考えていいと思います。

相続で次世代に税金がかかりそうだなと思う方は、前回の投稿でも書いたように、「相続税対策は後片付け」からです。

不用品を捨てる、財産関係の整理を少しずつ進めていってみていただければ、と思います。

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